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『攻殻機動隊 SAC_2045』を全話見た感想。

 先日、Netflixで「攻殻機動隊 SAC_2045」を見た。24分弱で全12話だから5時間もなかったから、サクッと見れた。だから、今回は全話見た感想を書いていこうと思う。

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 いまいちパッとしない「攻殻機動隊 ARISE」と、観終わった後は北野武の荒巻しか記憶に残らなかった「ゴースト・イン・ザ・シェル」を経て数年、Netflixのオリジナルコンテンツとして製作された今作は神山健治監督だし、オリジナルキャストが続投だし、と公開前からかなり期待していた。率直な感想としては『続きは気になるけど……まぁ普通』と言った感じだ。

 序盤で描かれた経済が崩壊した世界を補填するためにそこらじゅうでドンパチをやっている「サスティナブル・ウォー」という設定も「メタルギアソリッド4」で既に見たし、物語のキーになるポストヒューマンの話も宙ぶらりんでクリフハンガーして終わっているので、続きを見ないことには何とも言えない。

 これなら、1シーズンは公安9課再結成の話で集中的に展開して、次シーズンでポストヒューマン回りの話になる方が良かった気もするが、それはそれで間延びする気がする。今作で一番好きな話は7話の「はじめての銀行強盗 」なので、ああいうゆるくて1話完結のような話がもっと欲しかった。

 公開前から賛否があった3DCGに関しては、見始めてすぐに馴染んだ。確かに顔はのっぺりした感じで、フォトリアルなCGが横行する現代では違和感が強いが、戦闘などのアクションシーンでの奥行き表現に幅が出るので、一概に否定することは出来ない。だが、この3DCGでの動きは利点だけでなく、強い違和感を産むのも事実だ。例えば、今作の新キャラのプリンが恥じらって体をクネクネする動きは2Dのアニメではあまり気にはならないだろう。ある種のアニメ的な記号的動きだからだ。しかし、これが人間がモーションキャプチャーした動きになると、強い違和感が生まれる。現実の女性はこんな動きはしないからだ。ただ、これはNetflixの3DCGアニメだけでなく、「FF7リメイク」をやった時にも感じたことなので、動きがリアルになればなるほど、アニメ的な動きは合わないのかもしれない(もしくは、単に女性の記号的なアニメ表現みたいなものを自分が嫌いなだけかもしれないが)。

 少佐のキャラデザインも過去作と比べて可愛らしくなっているが、逆に可愛くなり過ぎて、陰でゴリラ呼びされているのに非常に違和感がある。全然ゴリラに見えない。そんなにゴリラ扱いするなら、もう少し強そうなデザインでも良かったのではないかと思う。

 部屋のモデリングも気になった。屋外や広い室内のシーンではあまり気にならないが、一軒家やマンションのシーンになると、まるでドラマのセットみたいな整頓ぶりと無機質感がすごい気になる。物とかを足したり、散らかしたりするとコストが嵩むのだろうけど。

 続きは気になるし、タチコマは可愛いし、次のシーズンもきっと見るのだろうけど、すごい楽しみにしているかと言えば、そうでもないという何とも言えない感じだ。